Hvorfor spiller børnene i soldateruniform?

どうして兵隊さんの格好で演奏しているの?

今回のタイトルは、カバー写真を目にした7歳の女の子、みつきちゃんからの質問です。

みつきちゃんへの回答は、デンマークで育まれた音楽文化の一端をご紹介する機会になるかと思いましたので、記事として投稿します。

みつきちゃん、少し難しい言葉や説明がありますが、お家の方と一緒に読んでみてね。

カバー写真は、デンマークの「チボリガード」という子ども音楽隊です。8歳から16歳の子どもたちが、伝統的な兵隊さんの制服を模した制服を身につけてパレードやコンサートで音楽を演奏しています。

デンマークは、ヨーロッパの北にある国です。デンマークの一番大きな街コペンハーゲンに「チボリ」というスポットがあります。お伽の国にあるような建物ときれいなお花がたくさん咲いているお庭があります。遊園地もあり、楽しいイベントや劇、美しい音楽やバレエが楽しめます。外国からも大勢のお客様がお見えになりますが、デンマークの人にとっても「チボリ」は特別なところで、毎年、チボリで過ごす時間を大切にしている人がたくさんいます。

「チボリガード」は「チボリ」という素敵で楽しいスペースで活躍している子どもたちによる音楽隊です。今から180年近く前、デンマークの王様をお護りする兵隊さんをお手本に誕生しました。世界で一番古い子ども楽隊です。

王様をお護りする兵隊さんは「近衛兵」と呼ばれていて、360年以上の歴史を持っています。徳川家康というお侍さんが日本を一つにまとめた時代から今に至るまでずっと活躍しているのです。「近衛兵」は、コペンハーゲンにある王宮アマリエンボー宮殿で、お伽話から抜け出したような制服を身につけて、宮殿のご門や入り口に立って、交代で王家をお護りしています。

「チボリガード」の制服は、「近衛兵」の制服をお手本にデザインされました。去年、100周年を迎えた制服です。赤い上着は「近衛兵」がお祝いの行事のときに着る赤の上着がお手本です。熊の毛皮で作られた黒い帽子も「近衛兵」とお揃いです。襟元や袖口には銀の飾りが施され、とてもきれいで贅沢な衣装です。そして、この衣装は帽子を入れると11キロを超える重さになります。小学校二年生の平均体重の半分に相当します。それに楽器が加わりますから、デビューしたての8〜9歳くらいの子どもやチューバなどの大きな楽器を演奏する子どもは大変ですね。

昔、日本では、戦(いくさ)のときに法螺貝や陣鐘(じんがね)を使いましたが、ヨーロッパの戦争では、戦場への行進や、大砲を打つ時などに音楽を使っていたのです。兵隊さんと音楽は、切り離すことができない関係だったのですね。

日本に明治という時代が訪れた頃、王様の音楽隊は「吹奏楽団」と呼ばれるオーケストラ構成になりました。近衛兵吹奏楽団はデンマークで一番古いオーケストラです。トランペットやトロンボーンなどの金管楽器とクラリネットやフルートなどの木管楽器、そして打楽器が使われるオーケストラです。バイオリンなどの弦楽器は入っていません。

王様のオーケストラで兵隊さんが演奏する音楽は、行進で通った町や村にも広められ、国中に兵隊さんの音楽が広まりました。兵隊さんの音楽は、デンマークで長く親しまれてきた音楽なのです。そして、兵隊さんの音楽で最も多いのが「行進曲」です。「マーチ」とも呼ばれています。元々、行進曲は、兵隊さんが戦地に向けて行進するとき、そして戦地から凱旋するときに、足並みを揃えるために使われたと言われています。

歴代の王様は、それぞれの行進曲などをお持ちです。現在のデンマークの王様はマルガレーテ二世という女王陛下ですが、「マルガレーテ二世女王敬礼行進曲」「マルガレーテ二世女王パレード行進曲」など、女王陛下の名前がついた行進曲が用意されています。王様のオーケストラ「近衛兵」吹奏楽団による演奏の他、「チボリガード」を始めとする国内の吹奏楽隊の多くが頻繁に演奏しています。「チボリガード」には1000曲を超える楽譜が大切に保管してありますが、行進曲の数が最も多いのだそうです。

王様のオーケストラ「近衛兵」吹奏楽団は、今も、王様や王様のお客様のために音楽を演奏するお仕事をしています。そして、この音楽隊をお手本にして、同じような制服で活動を続けているのが、デンマーク王国少年少女音楽隊チボリガードなのです。

みつきちゃん、質問をどうもありがとう。みつきちゃんの質問にきちんとお答えできていることを願っています。

 
 
 
 
 
 
 
 
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